2016年4月28日木曜日

すべては好奇心からはじまった忘我亭のこと


忘我亭について少しお話しします。



忘我亭の推進力になっているもの。それは「好奇心」かもしれない。
蓼科という場所に好奇心というアンテナを立てて、気がつけば21年も経っている。

具体的にどういうことかというと。。。
◎なにか画期的な、サプライズに満ちたワクワクするような食事を作れないか→洋の技と和の伝統を融合させて試行錯誤する…目指すは自分たちの脳内の奥の奥の未知の味。出来上がったら、試食してもらいたくなる→みなさんに背中を押され、気がつけば予約制のディナーのお店になっていた。

◎ワインも同じ。忘我亭のディナーにあうワインはどんなのがいいだろう。はじめはフランスやイタリアの有名な製造元のものを扱っていたけれども、どうもしっくりこない。探しているうちに時代が向こうからやってきた。ヴァンドナチュールという自然派のワイン。優しくて体にも良く、料理の味を邪魔せずワインの馥郁とした奥深さもあじわえる。

◎作ったごはんに似合う器はどんなのがいいかな→作家ものが似合うかな→よし、探しに行こう→見つける→私達だけ楽しむのはもったいない。作品展もしてしまおう→ギャラリーオープン

◎遠くからディナーを召し上がりに来てくださるのはいいけれども、都会からだったら泊まるとこないなあ→それなら、うちにゲストルームつくろう→スタッフは夫婦二人なので無理はできないから1日一組限定として。

とまあ、こんな感じで、忘我亭はディナーとギャラリーとゲストの泊まる宿泊で成り立つことになった。

そして予期せぬことに
マダムの方は6年前から突如、絵を描き始めた。
絵を描き始めると、ギャラリーとしていままで見えないものが見えてきた。
作品は上手い下手ではないんですね。
それは器展をやっていたときにも感覚としてわかってはいたけれど、手応えとして確かなものに。
「心を掴むもの」「グイグイ掴んで離さないもの」それがあれば成り立つんだと。
絵の道を手さぐりで進むにつれて、無名でも感動させる作品を作る人にいっぱい出会うことになった。尊敬するアーティストもいる。

そして、毎年10月には「着想は眠らない展」を開催することになる。今年で4回目を予定。
もう、やめようと思ってもやめられない。
作品を見るとその人の「たましい」が見えて来るから。「たましい」に触れるともう後戻りできない。
魅入られるということばが一番かもしれない。
ここから巣立つ人も出て、腕試しに来てくれる人や、もう大物なのに新たな世界を広げるために参加してくれる人、応援してくれる人もたくさん出てきた。見に来てくれる人もたくさん、
忘我亭の好奇心も、少しは世間に役に立っているのかなと思う。

すべては好奇心からはじまった。

だから・・・忘我亭は色々な顔を持つけれども「何屋さんですか?! 」とは聞かないでください。
これを全部説明すると小一時間かかるし、聞いたあなたも飽きてくる。
忘我亭もきっと途中で はしょって
「好奇心を美に昇華したモノです」などと口走ってしまうかもしれませんから。


2016/4/27 記す











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